毎年最低賃金の引き上げは、毎年7~8月頃に改定額が決定され、10月頃に改定が実施されます。改定額は、都道府県の経済実態に応じて分けられたABCDの4ランクごとに提示されます。2024年度はすべてのランクで一律50円の引き上げ額が示されました。
全国加重平均は1,055円となりました。これは、2023年と比べて51円の引き上げで、目安制度が始まって以降の過去最高額です。
更に2025年度の最低賃金については、連合が全都道府県で時給1000円以上にすることを目指すと発表しています。
この記事でわかること
- 全国の最低賃金
- 全国の最低賃金の上げ幅
- 最低賃金引き上げの効果と課題
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全国の最低賃金
概要
最低賃金とは、労働者が受け取ることが保証されている最低限の賃金を指します、この制度は、労働基準法に基づき、労働者の生活の安定と格差の是正を目的としています
最低賃金は県ごとに決められており、2024年度の全国平均は1,055円となりました
この数字は歴史的な高水準であり、労働者の生活支援を強化するための取り組みとして評価されています
関東の最低賃金の高さにビックリ
九州は、私が住んでる福岡のみ1000円台に乗りそうだけど、総じて物価は低いんだな
最低賃金の上げ幅
都道府県 | 今年度最低賃金(円) | 前年度最低賃金(円) | 引き上げ率(%) |
北海道 | 1010 | 960 | 5.2 |
青森 | 953 | 898 | 6.1 |
岩手 | 952 | 893 | 6.6 |
宮城 | 973 | 923 | 5.4 |
秋田 | 951 | 897 | 6.0 |
山形 | 955 | 900 | 6.1 |
福島 | 955 | 900 | 6.1 |
茨城 | 1005 | 953 | 5.5 |
栃木 | 1004 | 954 | 5.2 |
群馬 | 985 | 935 | 5.4 |
埼玉 | 1078 | 1028 | 4.9 |
千葉 | 1076 | 1026 | 4.9 |
東京 | 1163 | 1113 | 4.5 |
神奈川 | 1162 | 1112 | 4.5 |
新潟 | 985 | 931 | 5.8 |
富山 | 998 | 948 | 5.3 |
石川 | 984 | 933 | 5.5 |
福井 | 984 | 931 | 5.7 |
山梨 | 988 | 938 | 5.3 |
長野 | 998 | 948 | 5.3 |
岐阜 | 1001 | 950 | 5.4 |
静岡 | 1034 | 984 | 5.1 |
愛知 | 1077 | 1027 | 4.9 |
三重 | 1023 | 973 | 5.1 |
滋賀 | 1017 | 967 | 5.2 |
京都 | 1058 | 1008 | 5.0 |
大阪 | 1114 | 1064 | 4.7 |
兵庫 | 1052 | 1001 | 5.1 |
奈良 | 986 | 936 | 5.3 |
和歌山 | 980 | 929 | 5.5 |
鳥取 | 957 | 900 | 6.3 |
島根 | 962 | 904 | 6.4 |
岡山 | 982 | 932 | 5.4 |
広島 | 1020 | 970 | 5.2 |
山口 | 979 | 928 | 5.5 |
徳島 | 980 | 896 | 9.4 |
香川 | 970 | 918 | 5.7 |
愛媛 | 956 | 897 | 6.6 |
高知 | 952 | 897 | 6.1 |
福岡 | 992 | 941 | 5.4 |
佐賀 | 956 | 900 | 6.2 |
長崎 | 953 | 898 | 6.1 |
熊本 | 952 | 898 | 6.0 |
大分 | 954 | 899 | 6.1 |
宮崎 | 952 | 897 | 6.1 |
鹿児島 | 953 | 897 | 6.2 |
沖縄 | 952 | 896 | 6.3 |
全国平均額 | 1055 | 1004 | 5.1 |
2024年度は全国平均5.1%の最低賃金引き上げを全国で行っておりますが
特筆すべきは徳島県の9.4%、金額で84円の引き上げになっており、地元の経営者からは悲鳴が聞こえております
最低賃金引き上げ率全国トップの徳島県
徳島県の後藤田正純知事は「他県との(人材獲得)競争や若者の流出を防ぐ観点からも評価できる」と強調したが、中小・零細企業の経営者からは「これだけの給料を払い続けられるほど利益はない。今のままでは人は雇えない」と悲鳴が上がる。
四国四県でも最低賃金トップの徳島県、大阪に近いのも影響か
実際に徳島県に行ってみると、明らかに他の三県より関西色が強い印象でしたよ
徳島県の中小企業の声
県北西部、清流・吉野川に面するつるぎ町で200年以上の歴史を持つ「半田そうめん」。生産者らでつくる協同組合は、主力商品を25年3月から1~2割値上げすると決めた。「原材料や包装紙、そうめんを乾燥させるボイラーを炊く費用などあらゆるコストが上がっている。(対応に)走り回っているうちに引き上げの期限が来てしまった」と、経営者は肩を落とす。
最低賃金引き上げの背景
経済成長の停滞と所得格差の拡大
1990年代以降、日本経済はバブル崩壊による長期停滞を経験しました
この間、所得格差の拡大が進み、多くの労働者が非正規雇用に追いやられました、これにより最低賃金の引き上げが求められるようになったのです。
物価上昇と生活コスト
近年、エネルギー価格や食料品価格の上昇が続き、特に2022年以降の物価高騰は、労働者の生活に深刻な影響を与えています、最低賃金の引き上げは、こうした物価上昇に対応するための政策であります
国際的な最低賃金水準
他国と比較すると、日本の最低賃金は依然として低い水準にあります、OECD加盟国の中でも日本の最低賃金は下位に位置しており、特に先進国の中では課題とされています。これが政府や労働組合が引き上げを求める理由の一つです。
最低賃金引き上げがもたらす効果
労働者の生活向上
最低賃金引き上げは、労働者の可処分所得を増加させ、生活の質を向上させる効果があります
特に低所得層にとっては家計の安定に寄与する重要な要素です
消費の拡大
所得が増加すると消費も増加します、最低賃金引き上げにより、消費需要が拡大し、経済全体の活性化ににつながることが期待されます
雇用の質の向上
最低賃金が引き上げられることで、企業は効率的な労働力の活用を模索するようになります
これにより、雇用の質や生産性の向上促進される可能性があります
最低賃金引き上げの課題
中小企業への影響
最低賃金引き上げは、中小企業にとって大きな負担となる場合があります、特に人件費の割合が高い企業では経営が圧迫されるリスクがあります、この問題を解決するためには、政府による中小企業支援策が必要です
雇用への影響
最低賃金が過度に引き上げられると、企業が雇用を減少させる可能性があります、特に労働集約型産業ではこの影響が顕著になることが懸念されています
地域格差の是正
東京などの都市部と地方では生活コストが異なるため最低賃金の差も大きいですが、これが地域格差を助長する要因ともなり得ます
最低賃金引き上げで発生する弊害
新入社員と既存社員の時給差が無くなる
パート従業員で勤めている筆者の妻が嘆いていた事だが、長く勤めコツコツ時給を上げてきた既存の社員がいる中で、最低賃金引き上げ後に入社してくる新入社員との時給差がなくなる事が発生する
妻が入社したのが6年前だが、当時の福岡県の最低賃金は814円
3ヶ月の試用期間を経て決定した時給が恐らく850円程度だったと思う
当時でも少し安いけど、やり甲斐もあって楽しいと頑張っていました
そこから年に一度昇給が行われ、職場の作業内容や熟練度などが考慮されコツコツと時給を上がってきた訳だが、今の福岡の最低賃金が992円、募集も1100円などで掲載され、その条件で入社したパート従業員と6年間積み上げて来た時給が同じという現象が発生する
最低賃金引き上げと同時に既存社員の時給引き上げが行われない現状
本来、最低賃金の引き上げの時に既存社員の時給を同額で引き上げていけば、既存社員と新入社員の時給差が無くなることはない
しかし、企業側も物価高騰などを皮切りに、最低賃金引き上げ分の人件費を価格に転嫁したり出来ておらず、物価高騰や円安の影響下での賃上げは言うなれば「上げれる状況ではないが上げざるえない」と言ったところだろう
国政は最低賃金上げる前に不景気を立て直すのが先なはず
まとめ
今回は最低賃金引き上げと、全国引き上げ率トップの徳島県を例に解説してきた訳だが、インフレ時代に合わせて最低賃金を上げるなど、従業員を救う政策が先か、それを支払う企業を救うのが先か、色々な意見があるとおもう
年功序列の社会では無くなり、社員の能力値で賃金に差が生まれるのは賛成だが、特にパート従業員などは同じ企業に長く勤めた対価を時給として還元する仕組みは、どこの企業にも存在する
その中で新しく入社してきた、何も出来ない社員が自分と同じ時給では長く勤めてきた社員達が面白くない、しかし今の世の中はその様な構図になりつつある
大企業なら資本力で乗り切れる最低賃金問題も、日本の99.7%を占める中小企業ではそういかない
政府は国民へ景気の上昇を訴え、あたかも不景気から脱却したかのような政策で最低賃金の引き上げなども行っているが、30年不景気を味わってきた私達は騙されない
バブルを知らず、氷河期時代を生き抜いてきた筆者だが、好景気に湧くバブルのような時代を生きている内に味わってみたいものだ
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